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自分とピアノの世界を築く生徒さん達

どうして
こんなに笑顔しか生まれないのだろう。
自分の表情にレッスンの中で気づき、ふと 我にかえるのです。

生徒さんが弾くときには私は滅多に声をかけません。
うまく弾けなくて困っていても
声をかけません。

戸惑っているその瞬間も
安心して戸惑わせてあげたいと思うのです。
戸惑い困惑しながらも、楽譜をじっくり読み込む。

その力がたとえ か細くとも
自らの力で弾ききろうとする姿勢は
神々しく思うのです。


誰の力でもなく、我が力で弾ききった実態は、
ピアノとの個人的な信頼度を高めます。
音の世界は「無条件の愛」そのもの。
そこに私は条件を入れたくないのです。
無条件の愛を知った人は
真の自立が育ちます。

どんな自分をも受けいれようとする
「自己受容力」が育まれるからです。
そんな眼差しが訪れる教室。

その教室で待つ私こそ、
癒され、励まされ、
愛を受けているかのようにまで
かんじるのです。