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日常のなかで 響く



植物を愛する方との出逢いは
なんて よろこび満ちるでしょう。


「うちの女房は花好きでね。
   庭中 色んな花々でいっぱいなんだよ。
   よかったら 見てやって!」


プティのお散歩で
いつもであう 
おじさんです。

おうちまでの道順まで
教えてくださいました。





ある日
そっと でかけてみたのです。


すると
奥さまとぱったり!
以前ご夫妻でお散歩されていて
「ツツジが綺麗ね!」
輝いた目で 愛でておられ
わたしは
おじちゃんの奥さまを
一目で覚えてしまっていたのでした。





じつは…

奥さまのお庭を見てやって、と
ご主人が教えてくださったのです、

と伝えると


よかったら
中まで、さあ、どうぞ!どうぞ!

と案内してくださいました。




朝に 昼に 夕暮れに
いつも
様々な角度から
陽の恵みにあずかれる
平屋の縦長のお庭。

家の延長を感じる
素朴な雰囲気が
あたたかくて、

わあ!と 
ため息がもれました。


まるでピーターラビットの
花野菜畑のように
レタスや ハーブも

そして 
スズランや
ツツジ、
カーネーション
桔梗など
ポテッと大きな花から
鈴なりに小さな花が束に咲く
タイムなど
様々な花々で一面 広がっています。




「なんて素敵でしょう。
   地上天国です。」

と つぶやきました。


奥さまは
ご自分の目と愛が流れる
等身大のお庭に
充足感を感じていらっしゃるのが
自然体で
伝わりました。

そして
はなしてくださいました。


「これは この子の株分けなの。
       
    可愛くってね!
    ちいさな 株が
    大地にしっかり根を張り
    成長していくのが嬉しくて。 

    お父さんも
    水をあげてくれるようになったの。

    私の影響で お父さんも
    花好きになっちゃった。笑

    見てみて!

   カモミールがここにも
   あっちにも。
   踏まれても踏まれても
   咲いているのよ!
   可愛いのに 強いの!


そう言って 笑う
奥さまの手は
少しの間も
株分けした幼い苗に
土を寄せ、
そこにあったジョウロから
水を少しかけました。


なんて  やさしいんだろう。

なんて 可愛らしい方だろう。

  
カモミールはお家にありますか?
と尋ねられ、

帰りぎわに
ごそっと
株から分けてくださいました。


ああ、
本当にいいのですか?


もちろん!








この嬉しさを
なにかでお伝えしたくて

翌々日

カンパーニュを
焼きました。
オーブンから出して
すぐにお届けしました。

まあ!先生が焼かれたの?
お父さんも私も
パン大好きよ!






日常は
よろこびに満ちています。

このとき

何を弾いたら
感謝を
おかえしできるかしら。





すると
バッハの
ゴールドベルクのアリアが
浮かびました。




実は
この曲は
小学3年生の生徒さんが
弾きたい曲リストに
入れていました。




その子のお母様は
「晩年のグレングールドの演奏が
   本当に素晴らしいのです。」
と分かち合ってくださり
印象的でした。



そう伺って、
親娘さんが 感動なさる
「グレングールド」のその演奏を
私も聴きたくなりました。





本当に 素晴らしかった。
本当に 美しかった。

1音1音が
温度をもち
呼吸しています。

ときにキラリと輝き
幼子のような瑞々しさも感じます。



生涯
こころと 
いのちの糧となる「演奏」は、
たくさんなくて
いいのではないかしら。

1曲でも
こころ震える演奏に出逢えたなら
それは
まことの幸いでは ないかしら。

そう思いました。


この 長いやすみをとおし、
 
わたしの
「教しえさせて頂く原点」
改めて確認しています。


音楽は
私たち ひとりひとりのなかに
いつも 湧き続けている
やさしさです。




日常のなかで
音に向き合って浸るとき

自分の呼吸を感じることができます。


響きを 味わい
指から紡ぎだすよろこび。


弾くことを通して
やさしさと 
ともにいられ

そのやさしさに
満たされる。

その恵みを 受けとることのできる
幸い。

弾くことが
自然で
嬉しい。


それが
ピアノの世界。








生徒さんが 
「ピアノに出逢えてよかった!」
「この教室で 学べてよかった!」
と思って頂けるように
私自身も
成長していきたいと思います。



10連休中も
サービスしてくださる
働く方々に たくさん出会いました。

おやすみの家族の食事を整える
お母様方。

おばあちゃんちに行くの!と
よろこんでいた小学生の姉妹。


海外旅行に行っている
社会人の生徒さんも
いらっしゃいます。



みなさま 
それぞれの
5月の日々なのですね。


おやすみの日は
あと1日となりました。

みなさまは 
どのようにお過ごしになられますか。



さいたま市緑区 / 浦和区 ピアノ教室
まえだやえこ