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生きる糧を与えてくれるピアノ



ピアノを弾く。

毎日弾く。

コツコツ弾く。

弾くなかで
神秘を


楽譜が教えてくれる。

感覚が教えてくれる。





わが愛する者、
美しいひとよ。
さあ、立って、出ておいで。




ほら、冬は過ぎ去り、
大雨も通り過ぎて行った。




地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。


山鳩の声が、
私たちの国に聞こえる。


いちじくの木は実をならせ、
ぶどうの木は、
花をつけてかおりを放つ。



わが愛する者、
美しいひとよ。
さあ、立って、出ておいで。


雅歌2章より


レッスンが終わり
弾き 弾き
ただ 静まっていると
この詩が
想い起こされた。




「音  1音1音の 響きを
   聴き続ける 集中の極み」

疲れそうな このプロセスは
実は
いちばん 
疲れを癒していくのだ。


「弾く」とは
ひとりで 立って
積極的に
聴くこと。


積極的に
曲の世界に
飛び込んでいくということ。


今日のレッスンで
ピカピカ新1年生の女の子の

キラキラした可愛さのまま

グッと 音に集中する
その姿と

夜に 弾きに弾く 先生である私が


 「音の前で ひとり」
である点において
まったく同じであることに
同士のような
よろこびをおぼえた。




夜があって 朝がある。




ピアノを弾くことで

大地のみなぎる力を
日に日に深く
知っていける。





ピアノは
「習い事」という 範囲を超え

コツコツ 向き合うなかで
生きる糧を
与えてくれる。


あしたも
きっと
すばらしい一日になるに違いない!


感謝して
やすみます。


おやすみなさい。



睡眠のなかで
やさしさが

今日体験したよろこびを
身体の深みに 
刻んでくださいますように。




まだまだ 未完のことに対しては

希望を抱き 見ながら
忍耐持って
取り組むことのできる
そのための あらゆる力を
与えてくださいますように。