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日々に寄り添うレパートリー


みなさま、いかがお過ごしですか。

さいたまは肌寒いのですが、
みなさまの地域はいかがですか?

あたたかい毛布がうれしい、
あったかい湯船が癒しの時間になる
季節になってきたのですね。



お昼ご飯に
お野菜をたくさん入れて
ちゃんぽん麺を作りました。

あったまりました。


そして
楽しみの昼下がり。

なぜって、

ベヒシュタインの
メンテナンスの日だから。






さいたま市大門の
YKピアノファクトリーの 
小林泰浩一級調律師さんに
二台のピアノをずっとお願いしています。

私は信頼しています。

小林さんのお陰で
ベヒシュタインの夢が
5年以上も早く叶いました。

メンテナンスも
カワイからベヒシュタインになっても、
一級調律師の免許を持ち
確かな職人の技と想いのある小林さんには
継続してお願いできて、感謝しています。

ピアノのことは
なんでも相談できる専門家がいるのは
本当に安心です。






響きの質と音程が美しく整えられ、
また
ピカピカに磨きあげてくださり、
1929年製のベヒシュタインは
一層美しくされました。


アプライトのヤマハは
10月にお願いしていますので、
そちらのピアノも
待ち焦がれていることでしょう。



お陰様で
そのあとの生徒さん達の奏でる音が
美しかったです。




この生徒さんは
ドビュッシーの水の反映を
始めたばかりです。

幼稚園から教え、
今 大学4年生です。


月2回、75分レッスンを電車とバスで
遠くから通っておられます。



「その新しい曲も弾いていけば
必ず熟していくので、
レッスン時間は好きなレパートリー
持っておいで!
何弾いてもいいから。」

私はそう言っています。

これはみんなに言っていることです。


昨日は
この生徒さんが弾いた曲に
懐かしさと驚きが湧きあがる
言葉を挟む暇がない75分でした。
グリーク   ホルベルグ組曲
(小6か中1の時のレッスン曲)

ショパン   幻想曲
(大学3年発表会曲)

ラフマニノフ 鐘(前奏曲)
(高校時代の発表会曲)

ベートーベン 月光ソナタ全楽章
(大学1年の発表会)

モーツアルト ソナタK570
(中学の時のレッスン曲)

ショパン バラード1番
(高校の時の発表会曲)

水の反映
(今始めたばかり)
 
これで75分でした。
1分も残らず、
次の生徒さんの時間となりました。

聴きながら 聴きいっていました。


当時弾いていた時よりも
明らかに豊かに感じている。
よろこびが溢れている。
難しかったテクニックが
表現になんの支障もきたさないくらい
楽になっている。


なんということでしょう。


曲達は 彼女の一部になっているのです。




夜レッスンが終わってから
しずまりました。
よろこびと 安堵を感じていることに
気づきました。

ほとんどの生徒さんが
曲は違っても
同じような感覚であることに。





さらに気づいたことは
レッスンでストレスや困ることが
ない、ということです。

また、背景に
ご両親様のお子様を信頼しておられる姿を感じるということ。


こどもは信頼されている中で
うまくいっても、
またそうじゃなくても
その時々を自分で受け入れ
夢中になって弾いている、
そんな姿が見受けられるのです。



また、教える側の私も
たとえ彼らがうまくいかなくても
焦ったり困った、という感覚もなくなってきていることに気づきました。



生徒さんが辛そうでも
乗り越えることがもう見えているから
落ち着いている感覚があるのです。

そして、その苦難がむしろ よかった!とも思ったりもしています。  
なぜならば
ピアノと本人の絆が深まるチャンス
と多いになり得るからです。


いつからそうなったのでしょう。





みんな
それぞれの位置で
一生懸命に生きています。

その生涯が
自分のよろこびに突き動かされて
進めたら、どんなによろこびでしょうか。





私はピアノを教えるプロです。
しかし、
彼らは
私にはない得意があり、
私の知らない彼らの世界においては
ずっと私より優れているのです。

その彼らが
どのようなオリジナルの毎日を送るのか、
たった僅かなレッスン時間を通して
垣間見せてもらえることに
心から感謝しています。


そして
楽しみです。

私に出来ることがあれば
なんでも力を貸したい。

彼らの世界に
私も夢を見ることができるって
なんて嬉しいことでしょうか。



そのあゆみの中で
沢山の名曲を
奏で続けている生徒さん達に
本当によかったなあ、と思います。




そして
これからも
素敵な曲をどんどんあげて
そしてレッスンしていき、
レパートリーに加えてあげたいと思います。

今朝は
初冬のように冷えているさいたまです。

1年ぶりにフリースを出してきて
羽織りながら綴る朝です。



夏も
秋も
冬も
そして春も
きっと
いつも美しい一日として
与えられているのでしょう。



その時々を大切に、

さあ、今日も日課をはじめようと思います。



みなさまも
あたたかくなさり、お元気でお過ごしくださいね。


感謝を込めて


まえだやえこ