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曲のなかの愛はあなたに・私に直接語りかける

こんにちは。

秋晴れの文化の日。いかがお過ごしでしたか。

 

 

私の1日は愛犬プティとウオーキングから始まりました。

帰ってそのままピアノに座ります。

 

 

いつものように静かに目を閉じて「今日何を弾いたらよいか教えてくださいね。」とピアノに語り、しばらくしておもむろに弾き始めました。

心に浮かび上がってくる響きの和音を紡ぎながら即興で20分くらい過ごしたでしょうか。

突如「ラフマニノフの前奏曲32-12」が湧いてきました。

 

冷たい木枯らしが吹き迫ってくるような右手のパッセージが3秒。

そして悲しく寂しいビオラのような響きのメロディーが左に浮かび上がってきます。

あっという間に通り過ぎてしまう曲ですが、この2分ほどの曲になんとも迫りくる思いが込められています。

 

今日は冒頭の右手の細かいパッセージが光の粒子のように感じて、何て美しいんだろうと思いました。悲しいのになんて優しく響くのだろう、と。

そしてこの曲でレッスンを受けに来る大学生は今週どう感じて弾いているかなと、ふと思いました。

 

同じ曲を弾いていても弾く者の年齢も環境も違います。

曲は目の前の「私」に、そして「その生徒さん」に直接語ってくれるので、私とその生徒さんの演奏は違います。

 

それでいいのだと思うのです。

それが音楽の神秘であり、音楽の願いであり、個人的に寄り添ってくれる曲に満ちている愛だと私は思っています。

 

ふと書棚から一冊の薄い本を手に取り開きました。そしてこの言葉だな、とうなずきました。

 

 

「名曲・この神々しいすがたともいうべき巨匠の作品に、君のあたたかい生命のちからをお与えなさい。それによって自己をたしかめ、そして成長してください。」

尊敬する19世紀のピアニスト エトヴィン・フィッシャーの言葉。

                   「音楽を愛する友へ」新潮社より

 

夕方になり、ぐっと気温が下がってきたようです。

 

でも今日は夜空がきっと美しいと思います。あたたかくお過ごしくださいね。

                       まえだやえこ

 

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コメント: 4
  • #1

    高橋 眞理 (金曜日, 04 11月 2016 07:08)

    素晴らしいですね。
    その光景が目の前に広がっています。
    委ねて弾く、考えた事もありませんでした。
    いつも自分で何でも決めて、選んできた私ですから…
    委ねて弾いたピアノの音が、聴こえてくるようです♪

  • #2

    稲垣 幸子 (金曜日, 04 11月 2016 09:21)

    始めてピアノ教室の発表会を覗きに行ったとき、会場に暖かい光ががいっぱいに満ちている気がして驚きました。
    始まったブログも教室の空気そのままですね。
    エトヴィン・フィッシャーの言葉、素敵ですね。ピアノを弾けない私の心にも響きます。
    時々寄らせてくださいね。

  • #3

    まえだやえこ (金曜日, 11 11月 2016 21:56)

    眞理さん、ありがとうございます。
    眞理さんのフラダンスこそ音楽に動きを委ねて美しかったことが
    思い出されます。また遊びにいらしてくださいね。
    そしてまたフラを踊ってくださいね!

  • #4

    まえだやえこ (金曜日, 11 11月 2016 22:10)

    ゆっこさん、ありがとうございます。
    発表会においでくださり本当に嬉しかったです。
    聴いてくださる方がいてくださって音楽は響き合えるのだと実感しました。
    いつでも、ふらりと寄ってみてくださいね!