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愛すること 愛されること


彼女がいちばんよろこぶものはなんだろう。


親友のお誕生日のために
私は本を作りました。

彼女はクッキー屋さんです。

世界にひとつだけの
クッキーBOXを作る
クッキー屋さんです。

私は本を作りながら思いました。


ひと は
自分の内側に湧いてくるよろこびに
生きることができるとき
本当に幸せなのだな、と。
時は遡りますが、
高校時代に救われた時間がありました。

それは
ピアノのレッスン。
高校の授業の中のピアノのレッスンです。

私は普通科音楽コースに在籍していました。

授業として
隔週でピアノの個人レッスンがありました。

そのレッスンの
私の担当をしてくださった先生が
山崎道子先生でした。


山崎先生とのレッスンが
本を作っている時に、なぜでしょう。
突如として思い出されたのでした。


山崎先生…
私の詳細を聞きすぎようとはせず、
弾けないことで悩んでいるプレッシャーも 
語ることもできないほどの
様々複雑な心を
先生はそのまま 無言で受け取ってくださるのを
今思い返すと
私は感じた時間だったようです。

ただ
やさしく
手取り足取り
弾き教えてくださっていた時間です。

クッキー屋さんの友
咲ちゃんは
山崎先生を思い出させました。


話さないけれども
咲ちゃんは
どんなことがあっても
信頼し愛してくれている。


むしろ
話さない方が
わかってくれていることを感じられる存在…。


それでも
音の繊細を感じるように
彼女は何かを察知するのでしょうか…




決して聞き出そうなどとはせず、
おもむろにしずかに届くのです。
メッセージが…

「日常ではいろんなことが起きますよね。
けれどもすべてのことには意味があります。
さまざまな出来事も必ず意味があるはずです🥰💞
やえこさんのことをいつも信頼しています。いつも味方でいます。」

と。

調整休だった土曜日。
おひとりのアンサンブルの生徒さんのレッスンだけで、あとはピアノを弾くよりも 思いっきり大好きな曲を聴き続けて過ごしました。


それぞれの曲たちは
悲しみや憂いに満ちていて
慰めとやさしさの空気感を
私の胸のなかに送り込み

共感性に溢れるうでで
だきしめてくれるようでした。



音楽は
ことばを越えて
説明を越えて
心の機微に触れ
「在り方」を
気づかないほど繊細に
変えてくれる。


腹の底から
涙が溢れるように感じました。


言葉では説明しようがない
そんなものを
ひとは持っているものです。

しかし
その複雑に絡み合うところに触れて
溶けゆく愛がある。

それが
音の世界だ、と
私は改めて感じたのでした。


そしてできるならば
私 という存在も
音の世界のようでありたい


咲ちゃんのように…

ハッピーバースデー
咲ちゃん。

いてくれること。

離れていても
いてくれることに
こころから感謝しています。


お読みくださいまして
ありがとうございました。

紫陽花が美しく咲き始めるころになりました。

どうぞ今週もお元気でお過ごしください。

さいたま市緑区ピアノ教室
まえだやえこ