梅の花がひらりと舞い、次は桃・桜へと春は進みゆきます。
お元気でいらっしゃいますか。
私の教室は、穏やかな環境の中
ひとりひとりの生徒さん達が時間になると訪れます。
先週ももたくさんの心あたたまる素晴らしいエピソードがたくさんありました。
その中から、みなさまにお話しする
ひとつをえらぶのは難しいですが、
あえて「かなとくん」のエピソードを書かせていただこうと思います。
かなとくんはピアノをはじめて
まだ1年と少しです。
保育園でピアニカを弾いたことで
鍵盤楽器の魅力を知り、
ピアノをはじめたら
弾くことが大好きで、
初めの楽譜はあっという間に
終わってしまいました。
ところで教室では内輪だけで
みんなの演奏を聴きあいましょう!
という会を企画しています。
その時に発表する曲を
探究心好奇心に満ちている
かなとくんにぴったりの曲
「ギロックの魔法の木」をあげました。
まだピアノを始めて1年ちょっとの子にはレベルがかなり高い曲なのです。
それでもあげたかったのです。
なぜならば
人前で弾いた曲は、生涯、本人の記憶に残ることを私は知っているからです。
それで大概、
「世界中の人が素敵な曲だな」と感じられそうな名曲あげます。
わあ〜弾きたい!
という曲に出会うまで何曲も弾いてあげて選んでもらいます。
出会って決まったら、
それからは楽しい冒険の旅が始まります。
その曲が大好きになっていって、
次第に魅力的な演奏になっていくのは
本当にエキサイティングな日々です。
ところで、難しい曲を弾けるようになるにはどう進めていったらよいでしょうか。
じつはそれには秘策があるのです。
それがわかれば、どんな難しい曲も弾けるようになります。
それは「徹底的に楽譜を読み込み、弾きこみたくなる知恵」を授けてあげること。
すると、どんどん、
「ここもこうしてみたら次と繋がっていくのかな、」
と、ワクワクしてきます。
かなとくんの持ち前の探究心が燃えてきました。
その眼差しに
こちらもハッとさせられます。
あとは理解できたうれしさは音になり、
繰り返せば なじんできます。
弾きにくい感覚があれば、
どうしてひきにくいかを簡単に説明してあげて、
そこを攻略する弾き方をちょっと示してあげます。
すると 話している側から
ワクワク弾きはじめています。
ひとりで黙々と弾いて弾いて…
弾けた!
よろこびの声をあげるのを我慢します。
なぜならば
本人は弾けたことを もう一度確認したいから
また弾いています。
また弾けた!
それをひとりで数回したら
表情は和らぎ、満足に満たされました。
素晴らしいでしょう。
達成感を味わえるって
なんて満たされることでしょう。
そのうれしさは
内側から溢れてくる本人の「伸びる力」を刺激していくのでしょうね。
私たちは 毎日生きています。
それぞれに 学校生活があり、社会生活があり、
そして家庭があります。
その、様々な要素があって
一生懸命に「いま」を生きているのですね。
もしかしたら
たとえ、ピアノがうまくなっても
勉強がすごくできるようになっても
「個」の中が不安でいっぱいな時もきっとあると思うのです。
また、
「個」の内側が不安でいっぱいであっても
その不安を原動力にして
自分の中に眠る潜在的な力を知りたくて
うんと努力へと向かっていく・・
このことも あるでしょう。
私は「ピアノ」を弾き続けていく価値は
これらすべての様々な心模様を
に感じとっていける事
にあるのだと思っています。
そして
音の世界は
どんな心模様をも見捨てないどころか、
それらをうけとめ、
抱きしめ、愛してくれているのです。
この真実を知り、感じ、
この愛に浸り、
癒されて
弾き紡いでいく…。
そのうちに
その時間を経た音色は
かけがえのない独自の音色となります。
そして音色は
知らずのうちに
誰かの心に優しいそよ風のようにふれて
癒しがひろがっていくのです。
いちにち いちにちが
よろこび満ちる恵みのときになると嬉しいですね!
どうかお元気でいてください。
福岡出身の生徒さんからいただいた
「梅ヶ枝餅」です。
ふっくら炊かれたトロリあんこが
焼き餅に包まれてとても美味しいです。
ご一緒にいただいた玉露白枝は
フワンと甘く深い香り。
みなさまにもお裾分け、とどいたでしょうか〜
さいたま市緑区/浦和区ピアノ教室
まえだやえこ