からっぽからの始まり

わたしのピアノ教室の在り方

毎日学校やお仕事で頑張っていらっしゃる生徒さんが、荷を下ろして ほっとし、音の中にグッと集中できるレッスンでありたい。

その空間は、グリーンやお花が溢れる。ピアノを弾くだけではなく、自分自身にも向き合えるしずかな癒しの場で音楽がどれほど生きる糧になるのか、を知り深めていただけたら…。


その夢は ときを経て ゆっくり叶えられてきていると知りました。


わたしは「音の世界」ほど安らぐ場所を知りません。

家族とのだんらん。
気のおけない友との時。

そのことは かけがえのない幸福なときです。

しかし、その「個」である私たちひとりひとりには それぞれ内なる空間があります。その空間にしあわせが満ち溢れるとき、ひととひととの共有は一層輝くのだと思うのです。

若い時から描く習慣を持ち続けることは最大の宝だと思います。

描き、その地図に導かれるかのように一歩を歩み続けることで 確実に願う世界が現実に現れてきます。

教室…とよぶ この空間は 20代から愛してきた言葉と一致しはじめてきているように感じ、感謝に満たされました。

安心と思える環境で、心と身体をゆるめて音とつながる


そして、昨金曜日に 新たなページがスタートしました。

13年経った庭の薔薇は 豊かに成長し、ちいさなちいさなスペースには手狭で窮屈になりました。

根っこも幹も太くなり、これ以上育てていくのは難しいことに気付いていました。
数年前からお別れの時が来ていると感じていましたが、あまりにも愛してきた幾本もの薔薇を手放す勇気が出ませんでした。

しかし、背中を押してくれる思いがゆっくりと与えられ続けたのです。

叶えられた夢を土台に あたらしくはじめよう!


お手伝いくださる信頼できるプロにも出逢いました。
教室玄関前の大木になったヒメシャラを抜くのも、不要になった家具の処分などもお願いしてきた便利屋さん「ラッキーツイテル」の岩下さんです。
わたしの願いをお話しましたら、どんどん案を出してくださる岩下さん。長年で固くなった土を耕し、ふるい、サラサラの柔らかい地にしてくださいました。

薔薇を這わせるアーチは薔薇の色が映える白に塗ってくださり、強風に耐えられるようにパイプで補強してくださいました。

実際、想像以上の大変な状態でした。長年の間に少しずつ、レンガや飾り石で庭の表情を変えようとしてきたことが13年たち、固く土に埋まり、掘っても掘っても大量なレンガや飾り石が出てきたそうです。掘って、ひとつひとつレンガを取り出す作業は体力みなぎる岩下さんでも「お〜腰痛い!」と呟いがもれるほどでした。(ごめんなさい🙇‍♀️)レンガを丁寧に洗ってくださいましたが、その膨大なレンガの数。こびりついた土を剥がす作業は途方ない作業だったと思います。

助っ人の方を急遽もうひとり加えられて3人で力合わせられても予定時間を数時間超えての作業でした。

終えられたのはどっぷり闇に包まれた夜。レッスンが始まってずいぶんたった夜でした。本当に丁寧に心込めてしてくださったお仕事に心から感謝しています。

支えられて新たな夢を描ききはじめました

ガランとした見えるお庭ですが、決して寂しくはありません。

長いときを共に描き育ち、響きあってくれた植物達のいのち。
そのいのちのバトンは、つぎに迎える植物達に引き継がれていくことに喜びを感じます。
最期の薔薇は今、テーブルで咲いてくれています。

耕された大地はゆっくり夜露を浴びてやすむでしょう


あたらしさの為に、時には手離すことで痛みも伴います。しかし感謝に満たされて、描かれた次の夢へ進む時、未知の美しさや やさしさに出逢うのでしょう。

低い鏡に生徒さんが作ってくれた雪の結晶を飾りました。まるで「本当の美しさはちいさな日々の結晶に凝縮しているよ」と励ましてくれているようです。

今年の冬も ひとつひとつのよろこびをあたためて過ごし行きたいと思います。
みなさまもどうぞお元気でお幸せでいてくださいね。

感謝を込めて。
さいたま市緑区/浦和区ピアノ教室
まえだやえこ