おはようございます。お元気ですか。今日は10月3日ですね。みなさまは どんな秋を 見つけておられますか。もし 今 そばにいらっしゃれば伺いたいです。
私の秋は 特別な日が含まれます。
明日は 父が天に還った日なのです。
今日明日の2日間は 父とのことを通して 教えられてきた事を記させてください。
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その前に…美味しそうな ます寿司でしょう!熟年の紳士の生徒さんに昨日頂きました。この方は私と同郷の富山出身です。母より2つ歳上のこの方とお話する中で分かったことには、中学も高校も母と同じでした。
不思議なご縁だな、と思いました。
ひとつの願いを叶えたくて夏に入会されました。「映画の主題曲 スターダストを弾けるようになりたいと思います。何しろ全くの初心ですので、どうぞ宜しくご鞭撻くださいますように。」
社会でご立派に仕事をされてこられたその方の「手」は、ストレッチトレーニングをするときに プルプルと震えておられました。
ああ、父も同じ「手」だった。
この方の夢を 私の夢としよう。かならず弾けるように してさしあげる。美しい音色で。
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昨日、その方の懐かしい 手土産。「先生、これをひとつ、召し上がってみてください。私が富山のます寿司屋の中で1番美味しいと思っている まつかわ のます寿司です。魚津で修行された方の店です。」
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父が天に還った日の2日前、その方は 私の知らなかった銘店の「富山」を運んで来てくださいました。
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あの日のことは毎年かならず 私の内側に訪れます
あの日…天に父が突然還った日の その時間のことを 忘れることはありません。
私は20:00過ぎにレッスンを終え、宇都宮線に乗り換え、大宮方面へ向かっていました。夜ののぼり電車はすいていて、がらんとした横長のソファーのドア側に楽譜が詰め込まれた重い書類バックを抱き枕のようにし、座っていました。
その日は どういうわけだか、眠くて眠くて、座ってすぐに 眠りに落ちていきました。そのどこまでも深い。泥沼にどんどん沈み込む感じは 初めての感覚でした。
しかも 身体が溶けてなくなっていく感覚でした。現実がない。まわりの音も ない感覚。「おかしい。今日はどうしたのかしら」。帰宅するやいなや、主人が言いました。「落ち着いて聞きなさい。お父さんがお亡くなりになった。時間がない。夜行に乗って富山に帰る。すぐに支度をして。数日間の洋服もつめて。君は理解できないかもしれない。でも 思っている時間は今はない。さあ、支度して。」
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あの日の事を 忘れたことはありません。
電車のなかで深みへ深みへ沈んでいったその時、まさに、父が天へ還った時間でした。
あの日から1年 無意識に 父を探す私がいました。
探せば探すほどに見出せない父。ところが現実の感情とは別に、今まで体験したことのない まったき平安のなかに入れられている瞬間が度々ありました。
その平安は この「現実」のものとは まったく質が違いました。
しかし、似た種類のその「前味」のような体験は 私の日常にずっと 伴っていた と気づきました。
それは「ピアノの音のなかに いる時間」でした。
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ひとは 本当の故郷を知っている
私は その時 はっきり知りました。
「ひとは まことの故郷を知っている。その故郷に 無意識に帰る感覚を与えられながら、やがてはほんとうに還っていくのだ」
と。
これは 私の知性や感情が編み出したこととではありません。
その日を境に 「知ってしまった」のです。
これは「霊的確信」という種類のものかもしれません。
教わるのではなくて、私の最も「私の源」が 知らせて しまわれたのでしょう。
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父と響きあう
あれから14年が経ちました。
今 私は 弾きながら ときを超えることができます。
天の父と この地上にいる私は ともに響きあうことができます。
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現在の母の家。富山の実家の家具を選び、コンパクトに集約した 住まいに置かれた椅子には、 今もくつろいでいる父を見るようです。
謙虚でもの静かな父。誠実で真面目な仕事姿は、最後には何度も危機を通り抜けた会社の「社長」の任務を与えられました。自らを社会に滅した 昭和の人。東京の深川に落とされた爆弾で母と3人の弟妹をなくし、身を寄せた疎開先の富山で 孤独と不条理の立ち位置にも関わらず
、希望と夢のともし火を手繰り寄せながら生きた。立派だったよ、と 田舎のご近所のおばあちゃん達が話してくれました。少年時代から 働いて働き、時間と費用を自らで捻出して大学に行った父。父には知らないことがない、と思うほど博学でした。芸術も歴史も 文学などに 明るかったのは、学校で学ぶすべてのことが生きる糧、こころの糧だったのだと思います。
私の子供の頃 リビングの隅の書斎には レコードがたくさんありました。毎日曜日の朝はNHKラジオの「音楽のいずみ」が流れている朝食でした。
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いのちは しずかな優しさに包まれているものなんだ
父は急死でしたので、闘病生活がありませんでした。
でも、2年前に36歳の若さで天に還った友人と重ねても 思うことがあります。
それは
いのちは しずかな優しさで包まれているということです。
肉体は病に冒されても その存在の源は 天へ近づけば近づくほどに 純粋へ向かっていました。まるで 「幼な子が母の腕に抱かれるように。」
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ピアノを弾くとき、天とひとつとなっている
弾くことは 浸ること。
弾くことは 自らの存在の故郷である
「永遠」に 耳を澄ますこと。
弾くことは その「永遠」の腕のなかに幼な子のように憩い およぐこと。
音は永遠からのもの。
音にいるとき 有限な 我が身は 永遠に置かれる。
その永遠は かつての有限だった存在の息吹と 今の有限の私たちの息を ひとつに成らしめる。
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今日は2019年 令和元年の10月3日。
新しい1日がはじまりましたね。
きっときっと よい1日になります。
今 早朝4時ですが、あたりは闇に包まれ、虫が近くから遠くから聞こえます。
もっと遠く 質がわからない程の響きも届いてきます。
すべてが「いのち」から生み出される「音」なのですね。
みなさまも みなさまだけの「音色」がおありです。その音色に今日も 美しく 存在が満たされますように。
笑顔が輝く幸せな1日に きっとなりますように。お幸せでいてください。
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沢山の感謝を込めて
さいたま市緑区 / 浦和区 ピアノ教室
まえだやえこ
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