なんという なぐさめ。
なんという 愛なのだろう。
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やさしさの種類を
数えることができない。
悲しみが悲しみでなくなる。
さみしさがさみしさでなくなる。
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この ことばにならない喜びを
どう たとえたらよいのだろうか。
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ロマンロラン作
「ジャンクリストフ」より。
屋根裏の部屋に
彼はただひとり
自分の古びたピアノに向かっている。
夜の闇がおりてくる。
まさに消えはてんとする昼の光が、
楽譜の上をすべって行く。
光の最後の一滴があるまでは、
目をこらして読んでいる。
今は亡き偉大な人々の愛情が、
これらの無言の譜面から立ちのぼり、
やさしく彼のうちにしみ入ってくる。
彼の目には涙が溢れてくる。
懐かしい人が自分の後ろに立っていて、
吐息が頬をなで、
今にも2つの腕が
首に巻きついてくるかのように
思われる。
彼は
ぶるっと身震いして、後ろを振り向く。
自分が一人でないことを、
彼は感じてい、知っている。
愛し、愛されているひとつの魂が、
そこに、じふんのそばにいる。
悲しみさえも明るい。
愛する巨匠たちを。
彼らの魂はこれらの音楽の中に
蘇っているのだ。
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弾き始めれば
ほかでは得られない
深い慰めとやさしさに入れられる。
弾きながら
こころは泣いている。
うれしくて。
せつなくて。
なぜ せつないのか。
ピアノ以外でも
この愛を生きれたら と感じるから。
しかし、
なんと小さきものだろう。
ああ、もっと愛でありたい。
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見ているものに人はなっていく。
この
「古い人の言葉」は希望だ。
見ていこう。
人智をはるかに超える愛の旋律を。
見ていこう。
人智をはるかに超える勇気と希望を。
寒くなってきたな。
妹から「今日はおでんだよ!」
と写真が届く。
「牛すじは まきこが串さしたんだよ。」
と。
出汁のかおりが伝わってきた。
具材にコトコト染み込みゆく音が
聴こえるようだった。
ああ、日常は豊かなのだ!
随所に
幸福のたねが 散りばめられている。
よろこび 味わい
感謝 覚えていくとき、
生涯は
唯一無二の
美しい織物となっていくに違いない。
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