4時に起きてしまった。
調律してもらいたての
アプライトピアノも
今日から弾くのだ!
ピポン!
ラインが届く。
妹からだ。
サラチャン のこの曲も、
五分過ぎに指揮者が
思わずサラチャン に拍手しちゃってる!
素晴らしいよ!
カルメン幻想曲!
時間がとまる。
息をのむ。
聴いているわたしの声帯が震える。
2分半の
人の声ではとうてい出せない
高く細い声。
ソリストのサラチャーンが
指揮者と顔を見合わせて
クスッと笑う。
会場の緊迫したしずけさ。
「ウワォ」
誰かがつぶやいてしまった。
5分。
本来拍手をしないところ。
しかし、
会場も指揮者も
反応せずにはいられない。
会場のウワォ!という歓声と拍手。
指揮者の思わず叩いてしまう喜びとに
ソリスト自身も
ささやかに、
しかし
幼な子のように手放しで笑う。
もはや楽器がサラチャーンなのか
サラチャーンが楽器なのか、
わからない。
クライマックスに向かって
小さな楽器は全てを巻き込んでいく。
ウワォーーー!
終わった瞬間
指揮者はすばやく
サラチャーンの小さな手をとり
尊敬のキスをする。
なんて なんてすごい!
感動が覚めない。
どんよりした空が
今日はうれしい。
生きるということは
晴れきらないこともあるものだ。
昨日
青年の即興弾きは素晴らしかった。
テーマは「ひらめき」。
音のない世界から
光がない世界から
音を超えた音が、
光を超えた光が、
鍵盤で語る。
1年前までは
弾いたことも
曲をうみだすことも
まったく経験のないものだった。
彼の中には
あらわしたい若い力が
深みに眠っていたのだろう。
「ピアノ」というツールを使って
今、呼び覚まされ
ことばになり始めたのだ。
彼は
文学作品にも目覚めた。
語彙を通して
自分の内面を「ことば」にできる時、
状況や環境を変えずとも
自身が、
主体性を持ち生きる力へと変えられる。
ああ、
わたし自身も
どれほど文学作品に
支えられてきただろう。
また
「音」という「ことば」をとおし、
生きる希望と エネルギーを
与えられてきただろう。
こどもの中にみちるエネルギー。
青年の中にみちるエネルギー。
そのエネルギーが
美しいものとして、
生き抜く力として
どうか 外へ出すことができますように。
新しい朝が来た!
めぐみは日毎に新しい!
悩むこともある。
考えることもある。
落ち込みそうになることもある。
でも
すべて すべてが
こころ耕し
練られ
ますます磨かれるための
めぐみ。
(後記)
妹から
今日和希が学芸会だから弁当だよ!
カルメンが
やえこちゃんの
ブログの話題になってる〜❗️❗️
本当にすばらしいよね!