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希望をつないでいかれますように


ふと
下の詩がこころに のぼってきた。
バッハのシチリアーノを
弾いているときだった。






「あなたがたは知らないのか。

 夜のあとには朝が訪れ、

降り注ぐ雨が干ばつを退け、

冬が終われば、春になり、

夏になることを。

だから希望を持ちなさい。

永遠の希望を。

あなたを支える方は

決して

あなたがたを

見捨ることはないからだ。」





生徒さんのお母様がポツリと仰った。

うちの子(年長と3年生)
と同じくらいの こどもを残して
私の同級生(男性)が突然
死んじゃったんです。





この事を聞いて3週間になる。

バッハを弾いている時、
突然そのことを思い出した。


弾き終えて、しばし  膝に手を置き
目を閉じた。


すると
冒頭の詩が
ゆっくり響いてきたのだった。

誰の詩だっただろう。

思い出すままに
紙に書いてみた。

と、
上の写真も こころに浮かんできた。


鳥が大好きで
野鳥に出逢いたくて
世界中を巡る知人から、
昨年、
お手紙とともに添えられていた写真だ。


その遺された家族を
私は逢ったこともなく 
知らないが、
でも、

この詩と
この大空を自由に舞う鳥の写真を
そっと届けたいと思った。

この女の子と同じ歳の子のお父さん。

お母さんは
ふたりの子供を
おひとりで育てていかれる。



しかし、
この女の子のレッスンをしながら 
思った。

きっとだいじょうぶ。


お母様は
立派に育てていかれる。
と。



お子さんに
何かを継続するよろこびがありますように。

その継続の習慣は
自分に向き合う
最高なプロセスだから。



たとえ日々のなかで
よろこびを失望に変えるような思いが 
湧きあがってきたとしても、

その気持ちをしっかり確認した上で
自分を悲しませる性質の
その思いは
天へ飛ばされていきますように。

その心の空間には
やさしさと慰めが代わりに
埋めていきますように。





寂しいときには、

確かな守りのあたたかさが
その子たちを、
また
お母さまを
包み、満たしますように。




今日も新しい朝がきた。

雨はあがった。

しばらくすれば
澄み渡る空が
どこまでも広がるだろう。


まだ雲に隠れるやさしい光を
心の目で先取りし、見、
今日も日課をはじめよう!


 
自分にあたえられている恵みに
出逢うために。

また
音の願いを知っていくために。



まえだやえこ




☆最後の2枚は
クリップ集から頂きました。